Forever の制作秘話について語ったreiくんの最新インタビューを和訳!
reiくんの最新シングルである"Forever"が公開されて、聴いた後にクレジットを見て...KeshiとJojiさんとの共作なの...!と驚いたブログ主です。
どうも、こんばんは。
ということで、ちょっと遅くなりましたがその制作秘話についても語っている最新インタビューを和訳しました!どうぞ!
https://vman.com/article/rei-brown-is-obsessed-with-using-tissues-instead-of-drums/
(以下和訳)
彼の最新シングル”Forever”は、友達とわいわいと楽しくふざけて作ったポップなものが、シリアスなプロジェクトへと変わっていったものである。
Rei BrownがZoomにログオンし、チャットを開始する準備ができていることをコンピューターの機械音が知らせた。これが、最近当たり前のようになったインタビューのやり方である。ホテルの部屋へと我れ先にと急ぎ、アーティストとそのチームに会い、会話をスマホに録画を開始するのに必死になっている時にすすめられるお酒を断らないといけない、ということを何ヶ月もやっていないので、その煩わしさをもう忘れ始めているかもしれない。
こうやってZoomでインタビューするのはおそらく、今までのやり方より楽だろう。
(私のラップトップと彼のスマホを通して)Brownに会った時、彼はドーム型の Airbnbに彼の友人とともに滞在していた。奇しくも大統領選後のお祝いをする誰もが街中で踊ったり騒いでいるタイミングから逃れるように、ニューヨークではないどこかにいた。彼は滞在の目的がそれではないと誓うよ、と言った。
Brownがドーム内で静かにインタビューを受けられる場所を探しているのをブラウザ越しに見ながら、私は明るいブルーに染められた彼の坊主頭を見つめていた。
SoundCloudに楽曲を投稿することがキャリアをスタートさせる方法だった時代、SoundCloudに投稿していた多くのミュージシャンの一人だったBrownは今やLo-fiインターネットのミュージシャンとしてよく知られ、その知名度はどんどん上がっている。
昨日、インタビューの前に、BrownのPR担当者は彼の音楽のインスピレーションの源は建築から来ていることを私に教えてくれた。これは、ミュージシャンとしてはとても珍しいことだと私は思った。
事実、Brownは都市の物理的構造に精通していて、様々な都市に住んでいたのだ。
日本の神戸出身で、その後ボストンのバークリー音楽大学に通うために世界中を横断し、(なぜこう表現するかというと、ジョン・メイヤーがこうしていたから、と彼は言った※注1)最終的に、彼は多くのミュージシャンがそうしてきたように、ニューヨーカーになることを決心したのだ。
「建築について、僕たちはそれを建物と捉えているけど、それは僕たちがいるどこにでもある空間と関わる本当の方法なんだよ。」とBrownは言った。「子供の頃を振り返ると、たまたまなんだけど、かなり変わった場所で育ったんだよね。あなたが安藤忠雄に精通しているかどうかはわからないけど、日本の建築家と言えば安藤忠雄かな?」
私は彼にいいえ、と答えた。
「彼は建築の世界、特に日本で本当にとても有名なんだよ。彼のことは知っていたけど、ちゃんと知ったのは正確に言うと大学時代とその後なんだ。彼の仕事を辿っていって古いものを調べてみると、
彼がデザインした建築の多くが僕の家の近所にあったことを知ったんだ。知らず知らずのうちに、彼がデザインした空間を通して僕は育ったんだ。」
彼がそれについて説明しだすと、彼の音楽と建築のつながりが形となりはじめた。なぜなら音楽というのは足を踏み入れるのではなく、聞いたり想像したりすることで没入する空間であるからだろうか?
彼の建築以外のインスピレーションの源は、村上春樹作品の描写や、「古い世代の」アーティストである、Flying Lotus、Shlomoや Amon Tobinだという。
「バークリーに入ったばかりの頃かな、僕はShlomoの曲を聴いていて、彼がホワイトノイズ(※注2)を使っていることに気づいたんだ。」とBrownは言った。「のちに、彼がテイッシュをこする音をラップトップのマイクに録音していたことを知るんだけど、彼はそのノイズをジャズで用いる、ドラムのブラシと同じように使っていたんだよ。それは全く別の方法で、”そうか、音楽や音楽的である必要はないんだ。全ての音は音楽になりうるんだ。”ってね。伝わるかな?」
そうですね。少なくとも私はそう思います。
「それは僕にとって、何もかもが音楽となりうること、音楽に対して忠実であることは構成要素でしかないこと、様々なテクスチャーを取り入れること(取り入れた時に)で良い音楽になることに気づかせてくれたんだ。」
音楽を作るために通常用いられる、制作方法の罠から抜け出せたことがBrownにとって心地の良いものだったことは明らかであった。しかし、彼がそうしようとした、その考えをどこで選んだのだろうかと思った。バークリーは、幅広い才能のあるアーティストを輩出することで知られているが、実験的かつアンダーグラウンドな手法を用いるアーティストを輩出する土壌にだとは私には思えなかった。
「バークリーにはジャズミュージシャンや、いろんなミュージシャンがいたんだ。授業でJai Paul の曲を弾いていてこれはクレイジーで本当に画期的だと思った時のことなんだけど、そのクラスにいたロックギタリストの生徒は”これは本当に変だな。”と言ったんだ。でも、彼にはただ理解ができなかっただけなんだよ。」とBrownは言う。
「音楽における何かを変だなって思う人が、音楽学校にいることに僕はすごく驚いたんだ。そこにはたくさんの・・・僕は”音楽アスリート(※注3)”って呼んでるんだけど、彼らはとにかくいつも楽器の練習をしていて、素晴らしいテクニックを持っていて、誰にでも柔軟に合わせて演奏できるスキルがある。でも思ったより、音楽に対してオープンマインドじゃないんだ。」
いろんなタイプの人といたい、という彼の願望は、Brownが東海岸 (※バークリーがあるボストン)からニューヨークへと移住した理由の1つでもある。
「僕はバイレイシャル(※注4)として日本で育って、いつも目立っていた。僕が思うにニューヨークはとても多様で目立たない、本当に素敵な場所なんだ。目立ってしまうことは日本で育つ中で、僕がずっと悩まされていたことだから。」
過剰とも言えるほどたくさんのライブ会場があり、どの会場も夜遅くまで音楽と歓声が鳴り響いていてることでよく知られているNYの音楽シーンに、Brownがどのように関わっていったのかということに私は大いに疑問を抱いていた。Brownは地元NYの音楽シーンを主な活動場所とせず、彼がSoundCloudでキャリアを始めたその時からおそらく、断固としてデジタル上でのミュージックカルチャーに関わり続けてきたのだ。
「月に一度かな、SoundCloudにどっぷりと入り込むと今も本当にクールな、隠された宝石を見つけることができるんだ。そうやって入り込んで探すことは本当に大事なんだ。」
彼は大きなパーティーやクラブに行くことはほとんど無いという。元々、インターネット上での交流や控えめなことを好む彼のライフスタイルが、最近の隔離期間における環境の順応への手助けになったという。
在宅での音楽制作が本調子になってきてからは彼は音楽活動に復帰し、彼曰くここ数ヶ月は本当に良い期間だったという。
実際に、彼は11月12日に最新シングルとなる”Forever”をリリースする。そのシングルは、彼の友人でもあり、それぞれがアーティストしてもよく知られている、JojiとKeshiとのコラボレーションである。
「Jojiと僕は幼馴染みで、僕らは一緒に育ったんだ。”Forever”を最初書き始めた時は、僕たちはただぷらぷらしてただけで、ギターがそこに転がってて、アンプがあって。ただ、なんとなくふざけて作ったポップな曲だったんだけど、そうやって思いつきで作ったものが本当に気に入ってしまったんだよね。」
”Forever”を書き始めた2017年以降、Keshiの参加によってその制作への興味を取り戻すまで、Brownはその楽曲を発表することなく、そのままにしていた。
「僕はホテルの部屋で彼と一緒にいて、そういえばって感じで”Jojiと書き始めた曲があるんだ。ちょっと聴いてみない?”って。Keshiがそれを聴いて、ギターを持って、サビの部分を歌い始めたんだ。自分じゃ無い誰かがその曲を歌っているのを聞いて、本当に曲がいきいきとしているように感じたんだ。それを聴いたことによって、制作に対する熱が再燃したんだ。」
”Forever”は、シングル曲である”Honest”、”Islands”、”Bubble”に続いてリリースされる曲である。Brownが来年の初めに何か、もっと大きなリリースに向けた準備なのではないかと思わせるには十分である。
「僕はアルバムを約束したくはないけど、そうだね、僕はいろんなことに腰を据えていて、それを形にすることにワクワクしているよ。」そう彼は言及した。
「明らかにこのパンデミックや、たくさんのことが音楽制作に対してギアを入れることのきっかけになったよ。こういう言い方が合っているかわからないけど、みんながやろうと思っていたことが今は頭打ちになっている。僕はしばらく音楽制作から離れていたけど、復帰の一年の締めくくりとして”Forever”のリリースとこのミュージックビデオで締めることができてとてもよかったと思っているよ。」
”Forever”は、友達とわいわい楽しくふざけて作ったポップなものが、シリアスなプロジェクトへと変わっていったものである。
ミュージックビデオでは、BrownがDIYのルーツに立ち返って、いくつかのアートハウス系の映画から引用したフィルターを通して、カムコーダーで撮影されている。
ユニークな視点をもつこの新進のミュージシャンがさらなる高みへ行くのは確かで、我々はそれから目を離してはいけない。
注1:ジョン・メイヤーはバークリーを中退後アメリカ各地を転々とし(日本に長期滞在していたこともあり)キャリアを築いていったことから、引用しているのか?
本人がこの表現をジョンメイヤーから用いるのは、前回和訳したインタビューに続いて二度目なのでこの表現が好きなのでしょうか・・・。
注2:ホワイトノイズ
全ての周波数で同じ強度となるノイズである。(Wikipediaより引用)
注3:'music jocks'
音楽バカ、と訳すか悩みましたが、reiくんのキャラにはあわないと勝手にブログ主が思ったので・・・音楽アスリートと訳しました。
jock=体育会系、主にアメリカンフットボールのチームに所属する、花形の運動会系の生徒を少しイジる、ヒエラルキーの上にいる彼らをなじるような意味のスラング。
運動ばっかりしている筋肉バカ、みたいなイメージ。ディスってるけどどこか羨ましい、憧れは根底にある、みたいなイメージ。
注4:二つの人種からなること。両親の人種がそれぞれ異なることを指す言葉。
reiくんはバイレイシャルだと自分を表現。
(終)
インタビューを読んだ後に曲を聴くと味わいマシマシです...!
reiくん、Jojiさん、Keshi...こういうコラボ。こういうコラボだよ...コラボってのはよ!
素晴らしいです。
MVはreiくんディレクション、プロデュース、編集という...才能溢れまくってる。