In Tongues ~Ballads 1~Nectarに見る、ローコンテクスト、ハイコンテクスト論(前半)
ずっと書きたかった内容・・・!
Jojiさんのアルバムをリリース順に聴いて、ハッと気づいたこと、今までぼんやりと思っていたことがふとした瞬間に言語化できたような気がしたんですね。
それをブログに書こうと思っていたところ、某ドラゲナイのバンドさんのファンとドンパチしてしまったので、書くのが遅くなってしまいました・・・。
最近、個人的な趣味ダダ漏れの記事が続いておりますが、興味があったらちょっと読んでっていただけると嬉しいです・・・!
(や、純粋なJojiくんの記事しか興味ないねん。さっさと和訳しなはれという方はそっとブラウザを閉じていただけると・・・!)
今回はJojiさんのアルバムから読み解く、ローコンテクスト 、ハイコンテクスト論です!!
(超個人的な意見です。超個人的な見解、考察です。その点をご了承の上、読み進めていただけると・・・。)
JojiさんのNectarを聴いた1回目の感想は
「歌詞の世界観が変わっていて、戸惑ってしまって、受け入れられない」だったんです。
変化をすぐに受け入れられなくて、聴きこんで聴きこんでなんども咀嚼した後に、
あっこれってハイコンテクスト、ローコンテクストだな、と思ったら急にNectarの世界観をスッと受け入れられるようになったんです。
それまではずっとしっくり来ない感じでしたが。
私が個人的に思った、ハイコンテクスト〜ローコンテクストへの変化を感じた点を歌詞を元に読み解いていこうと思います。
さて、ハイコンテクスト、ローコンテクストの復習からです。
ハイコンテクスト文化
・価値観、感覚といったコンテクスト(文脈、背景)にコミュニケーションが大きく依存する文化を指す。
ローコンテクスト文化
・コミュニケーションがほぼ言語を通じて行われる。文法においても曖昧さがない文化を指す。端的に簡潔に文字通りに理解させ、理解する文化。含みのある言い方などはせずに、ストレートなコミュニケーションがよしとされる文化。
例えば、ハイコンテクスト文化の日本でよくあるのが、
・曖昧な表現で伝えたり、言葉に出さずとも空気を読んで察してくれる
といった、言葉の裏を読んだり、想像したりするのが典型的なハイコンテクスト文化と言われる日本のコミュニケーションであり、表現。
ハイコンテクストな要素が顕著に出てるのがやはり一作目のIn Tongues EP。
(ほぼ全曲Jojiさん作詞、作曲ということもあり、プロデュースやコラボによる人の手が入っていないところが、より本来のJojiさんのカラーがでている作品になっているのでは、と個人的に思っています。)
In Tonguesの中でもWill HeとWindowが顕著に表れているので、
個人的な解釈の和訳とともに読み解いていきたいと思います。
まずWill Heの和訳から。
I got knots all up in my chest (Up in my chest, up in my chest)
Just know, I'm trying my best (I'm trying my best)
'Cause when you look (When you look)
When you laugh (When you laugh)
When you smile (When you smile)
I'll bring you back (Bring you back)
And now I'm sad (Now I'm sad)
And I'm a mess (And I'm a mess)
And now we high (Now we high)
That's why I left (Why I left)
That's why I left (Whoo)
Will your tongue still remember the taste of my lips?
(My lips, my lips, my lips)
(My hips, my hips, my hips)
Will your lover caress you the way that I did?
(I did, I did, I did)
Will you notice my charm if he slips up one bit?
(One bit)
[Chorus]
'Cause I don't need to know
I just wanna make sure you're okay (Okay)
I don't need to know
I just wanna make sure you're all safe
All safe, all safe
Will he play you those songs just the way that I did?
(I did, I did, I did)
Will he play you so strong just the way that I did?
(I did) Yeah, yeah, yeah, yeah
Will he treat you like shit just the way that I did?
(I did, I did, I did)
'Cause I don't blame you
君を責めてるわけじゃないんだよ
[Chorus]
I just wanna make sure you're okay (Okay)
I don't need to know
I just wanna make sure you're all safe
[Chorus]
Don't you open up that window
その窓を開けるなよ
(※HotBoxingという密閉空間でマリファナを吸っている状況を表しているそう。なので、窓を開けるなと。)
out that antidote (Yeah)
解毒剤(マリファナの煙)を外に逃がすなよ
(Travisにとってはドラッグをやる行為が解毒剤的な役割、ストレスから抜け出せる方法なのでは、という説が有力。)
Poppin' pills is all we know (Ooh)
ドラッグを乱用するなんて俺らからしたら当たり前
In the hills is all we know (Hollywood)
ハリウッドじゃ常識だよ
Don't go through the front door (Through the back)
正面出口から入ってくるなよ(裏口から入ってこい)
(※ドラッグの乱用は違法行為なので、摘発を警戒し裏口から入ってこいと言っている)
It's lowkey at the night show (Ooh)
夜のショーではテンションが低いんだよ
(※マリファナ(リラックス効果の高い品種を吸っている模様)を吸っているからテンションが低くて落ちついている、という解釈をしました。マリファナはざっくりいうと、ハイになる品種と、落ちついてまったりする品種があります。)
So, don't you open up that window (Ooh)
だから窓をあけるなって
Don't you let out that antidote, yeah
だから解毒剤(マリファナの煙)を外に逃がすなって
[Verse 1]
Party on a Sunday (That was fun)
日曜のパーティーだけど、あれは楽しかったな
Do it all again on Monday (One more time)
また月曜にもやろうぜ(もう一回な)
Spent a check on a weekend (Oh my God)
週末にちょっと金を使いすぎちゃったな(オーマイゴッド)
I might do it all again (That's boss shit)
また金をガンガン使わないといけないな(それがボスらしいってことなんだよ)
I just hit a three peat (Ooh)
俺は三連覇を成し遂げたんだよ(Ohh)
Fucked three hoes I met this week (Robert Horry)
っていうのも3人のアバズレとヤったってことなんだけど
(Robert Horryのようにな※三連覇を成し遂げているNBAプレイヤー、連夜3人の女性と寝ることを三連覇と言っていると解釈しました)
I don't do no old hoes (Oh, no, no)
歳とったアバズレとはヤらないんだよ(Oh,no,no)
My nigga, that's a no-no (Straight up)
それはマジでないぜ(言った通りマジでねーから)
She just want the coco(Cocaína)
彼女らはコカインが欲しいだけなんだよ(Cocaína)
I just want dinero (Paper hunt, where?)
俺は金がほしいだけなんだよ(※dinero=スペイン語でお金の意味)
(金はどこにいったんだよ、どこだよ?)
Who that at the front door? (Who that is?)
正面玄関にいるやつは誰なんだよ(誰だって言ってんだよ)
If it's the feds, oh, no, no, no (Don't let 'em in, shh)
捜査官だとしたらまずいぞ、マジでまずいぞ
(奴を入れるんじゃねえぞ、静かにしとけ)
I see nothing out the window, window
窓の外には何も見えないんだ
Nothing out the window
窓の外には何もないんだ
Watching all the leaves grow, leaves grow
木の葉が成長して、枯れていくのをながめるんだ
Feels better in my dreams though, dreams though
夢の中よりかは幾分かましな気分だよ
[Verse]
And the sun will shine, no more
そしてもう太陽は輝かない
The sun will shine (antidote), no more
そしてもう太陽(antidote=解毒剤)は輝かない
I've been holding on, too long
僕はずっと持ちこたえているんだ
Holding on too
ずっと持ちこたえているんだ
[Pre-Chorus]
I know when the wind blows, wind blows
風が吹くのを感じられるんだ
Feels better in my dreams though, dreams though
夢の中よりかは幾分かましな気分だよ
I just wanna sleep forever
ただ僕はずっと眠り続けていたいんだ
Please just let me leave, forever
ただ僕をそっとしておいてくれ、永遠に
[Chorus]
I don't need an antidote, antidote
僕には解毒剤なんていらないんだ、解毒剤なんて
I don't need an antidote, antidote
僕には解毒剤なんていらないんだ、解毒剤なんて
I don't need an antidote, forever
僕には解毒剤なんていらないんだ、永遠に
(Forever, forever)
[Bridge]
We don't wanna drive slow, drive slow
僕らはゆっくり運転する必要なんてないんだ、ゆっくりなんて
Speed up with our eyes closed, eyes closed
目を閉じたままスピードを上げるだけなんだ、目を閉じたままで
Eyes closed, eyes closed
Head down, eyes closed
Ice cold, meltdown
The sun will shine (antidote), no more
そしてもう太陽(antidote=解毒剤)は輝かない
[Bridge]
We don't wanna drive slow, drive slow
僕らはゆっくり運転する必要なんてないんだ、ゆっくりなんて
Speed up with our eyes closed, eyes closed
目を閉じたままスピードを上げるだけなんだ、目を閉じたままで
Eyes closed, eyes closed
Head down, eyes closed
Ice cold, meltdown
[Chorus: Joji]
I'm a, I’m a, I'm a, I'm a, I’m a, I'm a (One, two, three, four)
(※この部分を日本語化するとタカトシの俺だ俺だ俺だ〜みたいになっちゃうので割愛です。)
I'm a pretty boy livin' on the West side
俺は西海岸に住んでるプリティーボーイなんだ
Livin' so loud, you could never hear me cry, nay-ay
派手で騒がしい暮らしをしていて、お前らは俺が泣いているのなんか聞いたことがないだろう
See no tears run down my eyes (Run down my eyes)
涙が俺の目からつたったことも無いよ
Oh, these hills, they burn so bright (They burn so bright)
このハリウッドの丘は、明るく燃え盛ってるな
(※毎夜、パーティーが行われていて派手なありさまを表現していると解釈)
Oh, these hills, they bring me life (Bring me life)
このハリウッドの丘が、この生活を成り立たせてくれてるんだ
(※ハリウッドのショービズ界に生きる、という意味だと解釈)
Oh, these hills, baby, oh, these hills, baby, mmm (I'm a, I'm a, I'm a, I’m a, I’m a, I'm a)
このハリウッドの丘がさ、ベイビー、このハリウッドの丘が、ベイビー
[Verse 1: Joji]
I’m a pretty boy livin' on the West side
俺は西海岸に住んでるプリティーボーイなんだ
Poppin' blue pills and sippin' on finest, nay-ay (Brrt)
最高級の酒で、ドラッグを流し込むんだ
(blue pills=ザナックスなどの抗うつ剤。ハリウッドのセレブ間での乱用が問題視されている)
No more fears and no more lies
恐れることも嘘をつくことも無いんだ
I tell myself to sleep at night (Sleep at night)
夜になったら寝ろよって自分に言い聞かせるんだ
(眠らずにパーティーを行うことに対する皮肉だと解釈)
Amongst these hills, baby (Oh, these hills, baby)
このハリウッドの丘に囲まれてさ、ベイビー
Amongst these hills, baby (I’m a, I'm a, I'm a, I'm a, I'm a, I'm a)
このハリウッドの丘に囲まれてさ、ベイビー
[Break: Joji]
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey (Bitch), hey, hey (Suck my nuts)
ビッチ、俺の金玉をしゃぶれよ
(※Nectar発売時に一番ファンの間で話題になった歌詞です笑。JojiさんはNUTSという表現が好きすぎです。)
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey, hey, hey
Hey, hey, hey
[Verse 2: Lil Yachty]
Handsome young man, never pull up on time
時間に間に合ったことがない、ハンサムな若い男なんだ
Lookin' in the mirror, lookin' good should be a crime, crime
鏡で自分の姿を見て、犯罪級にかっこいいんじゃないかって、もはや犯罪なんじゃないかって
All this pain I'll never let show (No)
この痛みを見せたことなんてないんだよ
(整形の痛み?なのではと解釈。実際のMVでもフィラーでパンパンになった不自然な唇のプリティーボーイが登場します。)
My real thoughts, you'll never know (No)
俺の本心なんて誰も知ったこっちゃない
Never know (No, no), never know (No, no, no)
知ったこっちゃないんだよ
Handsome young man, never worried 'bout time
時間を気にしたことのない、ハンサムな男なんだ
Flexin' on the 'net, it's the same offline (Offline), ay-ay (Offline)
インターネットで見せびらかしてるけど、オフラインでも同じように自慢してる
(Flexin'=Flexing 見せびらかす、自慢の意味)
If I don't lead, where will they go?
俺がこの流行を牽引しなければ、みんなはどこに行くんだ?
They follow my every move
みんな俺のやること全てを真似するんだ
Every move (Every move), every move, every move (Every move)
やること全てさ、全てだよ、俺の全てを
[Chorus: Joji]
I'm a, I'm a, I'm a, I'm a, I'm a, I'm a (Goddamnit, nice shot)
(クッソー、いいショットだな!)
I'm a pretty boy livin' on the West side
俺は西海岸に住んでるプリティーボーイなんだ
Livin' so loud, you could never hear me cry, nay-ay
派手で騒がしい暮らしをしていて、お前らは俺が泣いているのなんか聞いたことがないだろう
See no tears run down my eyes (Run down my eyes)
涙が俺の目からつたったことも無いよ
Oh, these hills, they burn so bright (They burn so bright)
このハリウッドの丘は、明るく燃え盛ってるな
(※毎夜、パーティーが行われていて派手なありさまを表現していると解釈)
Oh, these hills, they bring me life (Bring me life)
このハリウッドの丘が、この生活を成り立たせてくれてるんだ
(※ハリウッドのショービズ界に生きる、という意味だと解釈)
Oh, these hills, baby, oh, these hills, baby, mmm (I'm a, I'm a, I'm a, I’m a, I’m a, I'm a)
このハリウッドの丘がさ、ベイビー、このハリウッドの丘が、ベイビー
個人的にはこの曲、リル・ヨッティの無駄遣いだな・・・って思ってたのですが、
ハイコンテクストな曲からトリビュートした(あくまでも私の解釈)曲を書いた、数年後にこういう、ど直球にハリウッドに住むセレブの生活をからかう曲を書くなんて・・・と思ってしまうのです。
キャリアも生活も2017年の当時から大きく変わったJojiさん、本人曰くセレブの派手な生活に興味がないとのことですが、やんちゃしたり、生活が荒れたり、人生立て直したりして激動の数年を過ごして、すっかり落ち着いた大人の男になったんですねえ・・・と想像を巡らせてしまってしんみりデス・・・。
Windowという一曲から飛躍してしまった感じもありますが、こうやって数年でハイコンテクストな解釈の曲からローコンテクスト文化を批判する曲を書くなんて・・・考察と想像が捗ります・・・!
というわけで、前編はここまで!
次回までに、
Ballads 1を聴きこんで、書きたいことをたくさん、想像たっぷりで書きたいと思います!