(改)JOJIのことみんな知ってくれ!

JOJIを日本に布教するための雑記だったのが、個人的な音楽のことも書きます

In Tonguesリリース直後の2017年のインタビューを和訳!

今回は2017年にリリースされたEP "In Tongues"のリリース直後、Joji名義でのキャリア転換後、かなり初期のインタビューを和訳しました!

(転換期、Joji名義での活動を始めた頃のインタビューは重要だと個人的に思っています。Jojiさんのことを調べたら嫌でも出てきてしまうYoutube時代のキャリアを誤って解釈されないためにも、当時のインタビューを読んで少しでも理解してもらいたいと思う一心で和訳しています。)

 

というわけで、

今回はこちら。

https://i-d.vice.com/en_us/article/9kqvw7/88rising-joji-joji-interview

※実際のインタビュアーの文体は砕けた感じの口語ですが、和訳するとおかしな感じになるので、口語ではない文体で和訳してます。ご了承を。

 

(以下、和訳)

 

In Tonguesからの新しいシングル曲となる、”Window”は最高の仕上がりとなっている。BRTHRによってディレクションされた最高のミュージックビデオが88risingから公開されるタイミングで、彼が最初にYoutubeにアップロードしたものはなんだったか、についてなど彼とチャット形式でインタビューした。

 


日本男子であり、ミームカルチャーの祖であり、オタク泣かせ(※注1)である彼について、

いまこそ、本当のJojiはどういう人物か知るべきである。

 


彼のエキセントリックなYoutubeチャネルにおいて彼の別人格であるPink GuyやFilthy Frankが悪ふざけをしたり、“suck my dick”を日本語でなんというか700万人ものチャンネル登録者に教える姿からは想像もできないかもしれないが、25歳の実際の彼はかなりシャイな人物だ。

 


日本とオーストラリアのハーフであり(厳密にいうと彼はオーストラリアに住んだことはなく、彼は自身のことを”半分白人”である、と捉えることを好んでいる)、ちょうど四年前に東京からニューヨークに学業のために移り住んで以来(注2)、

アルバム(注3)が何気なしにチャート上位に食い込んだり、2013年を通して人々を狂ったように踊らせ、Bauer(注4)にたくさんのお金を稼がせたハーレムシェイクのミームを最初に作り出すなど、ずっと忙しく活動し続けている。

 


数百万回もの再生回数を叩き出した、Youtubeチャネルを通して彼は有名になったが、彼のYoutubeからの卒業とiTunes(音楽業界)への転向を匂わせていたThe Lonely Island風(注5)のコメディソングだけでなく、iTunesのアルバムチャートで上位になったお下劣でおバカなアルバムである”Pink Season”ーUber Pussy、Small Dick、Rice Ballsなどの収録曲を含むーでもまた、彼は成功を収めたのだ。

 


YouTubeにビデオをアップロードするキッズがミュージシャンになったTroye Sivanのような経歴の足跡を、Jojiは抽象的に辿っている。

ただ、JojiはTroye Sivanと違い、メジャーレーベルからスカウトされ、キラキラとした、心躍るようなポップミュージックのルートへ導かれているのではない。

彼をすくい上げたのは、我々が夢中になっているクールなレコードレーベルであり、マネジメントチームであり、制作チームであり、インターネットを席捲する、88risingであった。韓国のラップスターであるKeith Apeやジャカルタ出身のRich

Chigger(Rich Brian)、中国で一番有名なのラップクルーのHigher Brothersなどのアーティストと契約し、夢から成るアジア音楽というコンテンツを作り上げている。

 

Jojiの様々な側面に魅了された88risingはなんとかして彼とコラボレーションしないかと持ちかけ、彼はコラボレーションを快諾したのだ。

ふざけたものを作る傍らで、最終的にはシリアスなものを作るのが楽しいと感じた彼は、Pink Guy名義のアルバムをリリースしたのち、"シリアス"な音楽に集中するための基盤を求めていたのだ。


4月に、Jojiは、ミニマルでクラシカルな曲である"i don’t wanna waste my time"をリリースし、7月にじめっとした湿度を感じさせる"rain on me"を、キャッチーなHigher Brothersとのコラボ曲である"Nomadic"を発表する前にリリースした。

 


そして今に至る。

Joji名義でのデビューEPとなるIn Tongues (10月24日リリース)で心を奪われた我々はダークなミステリーバラードである"Will he?"の予告編で満たされ、彼のエモーショナルな冒険に誘われたのだ。

彼の盟友であるBRTHR(The WeekndのParty MonsterとTravis ScottのButterfly EffectのMVをディレクションした若手デュオ)が監督し、上海で撮影された"Window"のビデオは信じられないほど印象的なものだった。

 

"Window"のビデオについて、

「映像の中で大体、僕は水中にいるんだけど」

「僕を救いだそうともせずに、近未来的な都市を彷徨いながら悪魔を倒す少女のゆるい物語がそこにあるんだよ。僕は囚われの姫なんだ(注6)。」

とJojiはi-Dにそう語った。

 


彼が囚われの姫であると言ったことをさらに理解すべく、NYの自宅でくつろいでいるJoji(Georgeの日本名)に我々は乗り気で電話でのチャットを行なった。Jojiがあまりインタビューを受けないのはファンには周知の事実であり、我々がそのことにすぐ勘付く前に「僕は良い話し手ではないよ。」と彼はそう言った。


Windowのビデオの予告を見れば、今までよりもさらに圧倒され、彼のプロレスの入場曲や、お気に入りのミームや、なぜ彼が夜に出かけるかなどの豆知識とともに、Jojiという新しいキャラクターを知ることができるだろう。

 

やあ!Joji!自宅から電話してますか?

我が家のように最も感じるのはどこですか?

Joij:実際にはどこでもないな。少なくとも僕が育った日本では、あまり混血の子供がいなかったから、みんな僕の頃を部外者だったり、外国人だととらえてた。実際はそうじゃないのに。

そして、アメリカのことを何も知らずにニューヨークに来てからは、実際には日本よりも僕を普通の人として受け入れてくれている気がするよ。

多分、僕は日本を我が家のように感じているけど、彼らは僕をそうやって受け入れてくれないんだ。

まあいいんだけどさ、僕は部外者でいるのが好きだし、そっちの方がもっと面白いからね。


高校ではどんな少年でしたか?

Joji:覚えている限りだと、かなりやんちゃだったかな。いつも悪だくみをしてたよ。他の生徒や先生についての曲を書いたり・・・そうやって僕と友達は音楽に夢中になったんだ。

年を重ねるごとに、確実に落ち着いたよ。


YouTubeにアップロードした最初の動画を覚えていますか?

Joji:覚えているよ。僕は5年生で、YouTubeはまだ黎明期で、僕や友達のブレイクダンスとかの動画を載せてた。そうなんだよね、若いときはブレイクダンスを少ししてたんだけど・・・自分の体が繊細すぎてそれに向かないことを知る前はね。

キャリア的に言うと、ピンクの全身タイツでゴミみたいなことをしているのが最初の動画になるかな。


何か聞き覚えがありますね。では、数年前に病気になったことが、新しい音楽のプロジェクトに集中させるきっかけとなったのですか?

Joji:完全にそうだね。病気になって、自分の全てがいかにもろいかと言うことを実感したことで、ステップアップして、自分のライフスタイルの全てを変えるための自信を得ないといけないってわかったんだ。なぜなら身体的に負担がかかっていたからね。

自分の音楽の世界に完全に飛び込んで、正しい方向に向かって進み始める準備ができているって感じたんだよ。

 

では、どうやって自身の音楽性を見つけたのですか?

Joji:若い頃、Radioheadと初期のFlying Lotusをたくさん聴いていたから、現代的な音と古い音をオーガニックな感じでミックスするのが好きなんだ。僕はサンプルベースのプロデューサーだから、自分で録音したピアノの音を集めて、ただランダムに録音したものと、自分の声をランダムにサンプリングするんだ。Donald Gloverは僕の大きなインスピレーションとなっているよ、明らかにね。彼は全部自分でやっていて、しかもそれをとてもうまくやっている。僕はただ、彼と同じ道を辿りたいんだ。

僕はポップカルチャーが目まぐるしく変化していることにインスピレーションを受けていて、理解して学ぼうとしているんだ。それが今でも僕が探し求め続けている音楽から興味を逸らさないようにしてくれているんだ。

ラップをのせるには十分なトラップを作れていないけど、トラップを楽しんでるんだ。EPでは、かなりライトなトラップの影響がそこにあるんだけど、EP全体がトラップのテイストではないってことは確実に言えるね。


あなたのEP(In Tongues)が最高のサウンドトラックになると思う映画はなんだと思いますか?

Joji:うーん。それは面白い質問だね。

たぶんだけど、HERかな。あの映画には同じような雰囲気があると思うんだよ。あとはキメキメで観る宮崎映画(ジブリ)って感じ(注7)でもあるかな。

 


いいですね。EPをリリースすることに不安はありましたか?

Joji:僕はナーバスな人間だから、いつも何かしらに不安を感じているよ。でも、いったん何かを世に出したら、それに何が起こっているか見ないようにしているんだ。

賛成か反対かのどちらにせよ、僕の周りにいる人だけを頼っているから。

僕はただ盲目的になろうとしているし、盲目であり続けるんだ。

 


ちょっと疑問のあるやり方ですね・・・では、どういう経緯でBTHRとビデオを作ることになったんですか?

Joji:僕たちみんなはいい友達だから、これからもたくさん仕事を一緒にするつもりだよ。僕のアートワークも彼らが手がけているしね。現実的な方向へ僕が向かおうとしているのを彼らが手助けしてくれている感じかな。

彼らが言うには、僕のサウンドは彼らのヴィジュアル面のスタイルを反映しているから、一緒に仕事をするとより良いものになるんだ。

もともと、EPの収録曲の中でも一番重要な曲になると僕たちが考えていた曲のビデオを彼らが手がけることになっていたんだけど、結局彼らはそれよりももっと落ち着いた曲を選んだんだよね。なんでかというと、落ち着いていてきれいな曲と、この強烈な映像との対比を彼らは見せたかったんだ。

 


他に"intence"(強烈、熱狂的)だと思うことは何がありますか?

Joji:有名になることかな。

 


では、街中でどれくらい人に気づかれますか?

Joji:大体、家を出たら毎回気づかれるよ。

だから、人が少ない夜とか、朝早い時間に外に出るんだ。

彼らを熱狂させることができることをとても光栄に思うよ。たくさんの人が熱狂して、叫ぶし。

みんながかなり興奮しているのを見て、僕が彼らをそうさせているのだとしたら、ただただ嬉しく思うよ。

 

あなたについて人々が最も誤解しているのは何ですか?

Joji:健康上の問題があった時かな、僕は本当に落ち込んでいて、本当に辛かった。

自分のための時間が欲しくて、個人的に引きこもったんだよ。

実は、僕はかなり内気で、人に積極的に話すタイプじゃないんだ。だから、健康上の問題については3年くらい人に隠してたよ。

引きこもっていたのは、ただ、オフの時間が欲しかっただけなんだ。


もう1つ誤解されている事といえば、インターネットで僕の身長は5.7フィート(約170cm)だって言われているけど、実際には5.9フィート(約175cm)だよ。6フィート(約180cm)ではないのはわかっているけど、5.7フィートだって言われるよりかはマシかな。だから、誰かそれをちゃんと修正しておいてね。

 

すぐに修正しておきますね。

今日一番の質問です。カラオケの十八番は?

Joji:Oasisの"Champagne Supernova"

 


これまでで一番好きなミームは何ですか?

これはちょっと生意気なミームなんだけど、

Joji:誰かが女の子のケツをつかんでいる写真に「ママが"今日の晩御飯はピザだよ"と言った時」っていうキャプションが付いているやつだね。

このミームはある理由があって、全然人気じゃなかったんだけど。

僕が思うに、みんな完全に間違った解釈をしていると思うんだよ。

このミームが言いたいのは、晩御飯がピザであることが嬉しすぎてお母さんのケツをつかむしかなかった、ってことなんだよね。

 

あなたがレスリングの試合に出るとしたら入場曲は何になりますか?

Joji:間違いなく、Limp Bizkitの" Hot dog" だね。それじゃないとダメだね。

この曲は壮大な入場シーンにピッタリだよ。


これが本当に最後の質問になります。

あなたの老後はどうなっていると思いますか?

Joji:そうだね。人里離れたところにある農場に、ショットガンを持って犬と住んでいるようなおいぼれの一人になるだろうね。

友達も家族もいなくて、ポーチにあるロッキングチェアにただただ座って過ごすんだ。

で、自分の敷地に近所の子供たちが立ち入ってくる度にショットガンを持って犬と一緒に子供を追いかけまわすんだよ。

 

(終)

                  

注1:オタク泣かせというのは、彼がFrank時代に日本好きのオタクを攻撃していたことに言及していると私は解釈しました・・・私の解釈なので悪しからず。

 

注2:Jojiさんは東京在住だったという情報が過去にありませんが・・・そもそもプライベートに関して公言しないJojiさんなので実際のところはわかりません・・・。

ちなみに、4年前に学業のために移住したとありますが、18歳で大学進学のためにニューヨークに移住したと本人が別のインタビューで語っているのでおそらくインタビュアーのリサーチ不足かと。

 

注3:Ballads1リリース以前のインタビューのため、Pink Guy名義のPink Seasonのことを指していると思われます。

 

注4:ハーレムシェイクの曲を書いたアーティスト

 

注5:アメリカのコメディミュージシャン。

大体下ネタ、政治とか社会問題をギリギリのレベルでいじってラップしたり、歌ったりするアーティスト?コメディアン?ですが、音楽性は意外と高くてAkonジャスティン・ティンバーレイクとコラボしたりしてます。

下記URLのYouTube動画を参考に見てもらえるとなんとなく感じが伝わるかと・・・

https://youtu.be/DCAL1bchAww

 

注6:Damsel in distress

囚われの姫(君)、捕らわれの姫君、苦難の乙女。映画・小説などで多用される「危機に陥る女性」のキャラクター類型・モチーフ。(Wikipediaより引用)

 

注7:Miyazaki on crack

Miyazakiはおそらく宮崎駿のことを指してるんで、ジブリ映画のことを言ってると解釈しました。

あと、on crack って言ってるんで、ジブリのクレイジーなバージョン、ドラッグをキメてる状態で観ているイメージで訳しました。